SEL
SEL
SELとはSocial and Emotional Learning(ソーシャル・エモーショナル・ラーニング)の略です。日本語では「対人関係能力の育成」や「社会性と感情の教育」と呼ばれています。
近年アメリカの教育現場では、生きていく上での基盤である社会性や感情をコントロールする力を、子どもたちが健やかに育めるよう、SELプログラムを取り入れるようになっています。
5つの力
SELでは、5つの能力を向上させる事を目標にしています。
自己理解(Self Awareness)
自分の感情を理解し、相手に対する態度や行動にどう影響するか理解すること。自分の強みや限界を確かな自信とともに育むこと。
(感情の確立、正確に自分を知る事など)
セルフマネジメント(Self Management)
どんな状況でも自分の感情・考え・行動をコントロールすること。
(衝動のコントロール、ストレス・マネージメント、自らを律する力など)
社会理解・他者理解(Social Awareness)
人の背景にある多様な文化や、さまざまな状況下にある他者に対して興味を持ち共感し思いやりをもつこと。
(他者の視点を想像する力、共感力、他者を尊敬する心など)
対人関係スキル(Relationship Skill)
人に協力を求めたり、人を助ける事ができるなど、他者と適切に関係を構築・維持すること。
(コミュニケーション力、課題など解決に向けた交渉力など)
責任ある意思決定(Responsible Decision Making)
倫理的・社会的な基準に基づき、正しい判断をすること。
(問題の特定や課題設定、状況の分析、問題の解決など)
これらの5つ能力を向上させることにより、子どもたちの問題行動の減少、メンタルの安定、学力向上などが期待できます。
当たり前のようで難しい!
ご紹介したように、文字にして表すと何だか難しいように感じますが、社会生活を送るうえで当たり前のことかもしれません。しかし、自分をコントロールし、相手をおもいやって協力し、そして正しい判断ができる事は大人の世界でも大変重要です。
人は一人では生活できません。みんなで協力して、より良い社会を作る事のできる人間性を養っていきたいものです。
こどもと遊んだら「楽しいね」と声をかける。お手伝いをしてくれたら「助かったよ、ありがとう」とお礼を言うなど幼児期は、日々の何気ないやりとりから、SELのスキルを身につけていきましょう。