モンテッソーリ教育
モンテッソーリ教育
モンテッソーリ教育は1900年代のはじめに、イタリアの医師であり教育者であったマリア・モンテッソーリによって考案された教育法です。モンテッソーリ教育の目的は、子どもたちがその後の人生を幸せに生きるために、豊かな人格形成の土台を育むことです。子どもは歩くことを教えなくても歩こうとしたり、周囲の環境の中でたくさんの事を吸収し成長していきます。「子どもには、自分を育てる力が備わっている」という「自己教育力」がモンテッソーリ教育の基盤となっています。子どもが「自己教育力」を引き出すために「環境を整える事」と「適切な教育と教具」が大切です。子どもひとりでも出来るように整った環境の中で、「やってみたい」と興味をもち自ら選び課題に取り組み、結果を導き出すプロセスを重視しています。
モンテッソーリ教育の5つの分野
モンテッソーリ教育では5つの分野に分けて活動します。
①日常生活の練習
はさみで切る、コップに水を注ぐ、衣服の着脱などの活動を通して、自分の身体を思い通りに動かす事ができる身体運動を身に付けます。自分の事を自分でできるという自信が自立への大きな一歩です。
②感覚教育
視覚・触覚・聴覚・味覚・嗅覚の五感を磨き分類・整理する力を身に付けます。乳幼児期に自分を取り巻く環境を正確に知ることで、環境に適応した行動ができるようになります。
③言語教育
絵本や文字カードなどの教具を活用し、話すこと・読むこと・書くことを身につけます。それらの活動に自ら興味を持って取り組む中で、語彙を豊かにし文法や文章校正を理解していきます。
④算数教育
棒やビーズなど身近な教具を使って数の概念を身に付けます。実体験を通して自分の中に築いた数の概念は、抽象的な考え方や論理的な思考の土台となります。
⑤文化教育
子どもは興味があることすべてを対象にした幅広い分野で「なぜ?どうして?」と疑問をもちます。その答えを見つけるまでのプロセスからさまざまな事を学びます。5歳ぐらいになると世界地図や生命の歴史などに興味を持ち始めます。こうして自分を取り巻く世界や宇宙へと興味を広げていきます。
モンテッソーリ教育の効果
モンテッソーリ教育を受けた子どもたちは、集中力がつく、感性が豊か、個性が伸びる、コミュニケーション能力などを身につけます。また「○○をしてみよう」といった受け身の学習ではなく、興味をもったものに主体的に取り組むため、積極性が育まれていきます。100年以上たった現在でも時代や文化の違いを超えて世界中で支持されています。