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2022.10.07

子どもの思考力を育てるには?親ができる対応と知育玩具6選

子ども 思考力 育てる アイキャッチ画像

子育てや勉強において、昨今「思考力」という言葉をよく聞くようになりました。

しかし「そもそも、思考力って何?」「子どもの思考力を育てたいが、どうしたらよいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

このページでは、家庭でも気軽に実践できる思考力を育てる方法や、思考力を育てられるおもちゃをご紹介します。

 

子どもの思考力とは?なぜ思考力を育てることが必要?

そもそも、思考力はどのようなもので、なぜ必要だと言われているのでしょうか。ここから詳しく解説します。

そもそも思考力とは?

 

考える子ども

辞書によると、思考力とは「考える能力」を指します。

また国立教育政策研究所では、思考力を次のように定義しています。

一人一人が自分の考えを持って他者と対話し,考えを比較吟味して統合し,よりよい答えや知識を創り出す力,更に次の問いを見付け,学び続ける力

出典:資質・能力を育成する教育課程の在り方に関する研究報告書1~使って育てて21世紀を生き抜くための資質・能力~|国立教育政策研究所

 

ちなみに、思考力には論理的思考(ロジカル・シンキング)や批判的思考(クリティカル・シンキング)メタ認知(自己理解)など、さまざまな構成要素があります。

社会で直面する問題はテストとは違い、一律の答えがなく、大人の私たちでも解決できないものもたくさんあります。

それらの問題について解決策を導き出したり、自分の考えをまとめたり、自分なりの表現・作品に落とし込んだりするときに、思考力が重要です。

 

思考力が重要視されるようになった背景

インターネットと子ども

昨今重視されるようになった思考力ですが、その背景にはどのような流れがあったのでしょうか。

インターネットやAIの発達

インターネットやAIといった科学技術の発達により、従来人が行っていた「考える必要がない作業」は、機械に任されるようになりました。

それに伴い、課題の立案や新しい発想など、思考力に関わる仕事をできることが重要となったのです。

近い将来、世の中にある多くの仕事は、AIにより代替可能だと言われています。

時代が必要とするスキルを育み、子どもたちが時代に適応するために、思考力が今注目されているのです。

 

学習指導要領や入試でも評価対象に

また2020年からは順次、新学習指導要領が実施されていますが、この中では「未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力等の育成」が方向性の一つとして掲げられています。

そもそも今回の学習指導要領が改定されたのは、海外生徒との比較調査(PISA調査など)において、日本の生徒に課題が見つかったからです。

日本の生徒は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中では、平均点は高いものの「知識・技能の活用など思考力・判断力・表現力等に課題がある」とされています。

 

今回の指導要領の改善は、この「思考力・判断力・表現力」育成の流れをふまえており、思考力などをしっかり評価し、育むことが目的だと言えます。

学習指導要領改訂とあわせて、2020年度からは大学入試センター試験が廃止され、大学入学共通テストが実施されています。

このテストでは、これまでの知識・技能に加え、思考力・判断力・表現力が評価されます。

出典:新しい学習指導要領の考え方-中央教育審議会における議論から改訂そして実施へ-|文部科学省
資料11「生きる力」と資質・能力について(平成20年中央教育審議会答申抜粋)|文部科学省

 

「思考力」はどのように評価する?

小学校においては、教科ごとに思考力が評価されます。評価の方法には、例えば下記のようなものを見て評価する方法があります。

・授業中の発言や話し合いなどの活動の様子
・学習感想といった振り返りなどが書かれたノートやプリント
・問題を個人で解決する様子

ちなみに中学校入試などでは、思考力を問うために次のような問題が出題されています。

・「ロボットの不完結さや弱さはどのような状況をもたらすか」「ロボットは人との関わりの中でどのような役割を果たせるか」について自分の考えを説明する
・ある昔の時代から、大量のお金を他の時代に持ち込むことの問題点について、意見を書く

文章を読んで理解して想像を働かせたり経験と結びつけたりして、論理的に自分の考えを書くことが求められているのです。

出典:学習評価についての基本的な考え方(算数科)|沖縄県
「考えを発展させる力」をみる問題、中学入試で増加 ふだんから説明する練習を|国語のチカラ~「読み、書き、表現」アップの鉄則~|朝日新聞社
平成27年度富士見丘中学校入学試験(適性検査型)思考力テストⅠ|富士見丘中学高等学校

 

子どもの思考力を育てるときに親が注意したい対応

子どもに注意する親

ここからは、子どもの思考力を育てるために注意すべきことを3つ解説します。

 

一方的な指示・命令はしない

子どもの発達は、自由が保障された環境の中で促されます。

子どもに「しっかりしてほしい」という思いから、親はつい子どもに「○○しなさい」「○○しないと駄目よ」のように一方的な指示をしてしまいがちです。

しかし、そのような一方的な指示や命令には、下記のようなリスクがあります。

・子どもの自己防衛本能が働き、人の話を聞き逃す悪い習慣が付く
・親の言葉を聞こうとする気持ちにならず、信頼が育たない
・自ら考えようとする力が育ちにくくなる

子どもに行動を促すときは、リスペクトを表現するためにも依頼・お願いの形で声かけをすることが大切です。

保護者とのやりとりで「自分は親と対等」「大事にされている」と実感できれば、積極的に考え、考えを表現するための土台が作られるでしょう。

出典:モンテッソーリ教師あきえ「モンテッソーリ流 声かけ変換ワークブック」宝島社、p6(2022)

 

やっていることを止めない

何でも「危ない」「まだ無理」と取り上げてしまうと、「興味をもつのは嫌なこと」だと子どもが感じてしまいかねません。

また、大人がすぐに手伝ってしまうと、せっかくの「もっと知りたい」「挑戦したい」という気持ちを無駄にしてしまいます。

まずは子どもの考えたことを認め、色々な挑戦をさせてあげることで、「興味をもつのはよいことだ」という心が育めます。

 

行動・判断を責め過ぎない

子どもが思考力を深めるには、好奇心をもって自ら判断し、行動に移すことが大切です。

たとえ失敗したとしても、「だから言ったでしょう」「次からはこうしなさい」と大人が失敗したと断定してしまうと、考える機会を失ってしまいます。

 

子どものやることには無駄が多く見えるため、つい止めてしまいがちですが、「行動した結果どうだったか」がわからないと、次の段階に進めません。

大人が子どもの間違いを指摘したり、口出しをしたりするのは簡単です。

しかし、子どもがいかに自分で気付き、考えて訂正できるかが、子どもの力を育むことにつながるのです。

出典:モンテッソーリ教師あきえ「モンテッソーリ教育が教えてくれた「信じる」子育て」すばる舎、p28-30,74-75(2021)
林成之「子どもの才能は3歳、7歳、10歳で決まる!脳を鍛える10の方法」幻冬舎、p80-81,109-111(2011)
中曽根陽子「成功する子は「やりたいこと」を見つけている 子どもの「探究力」の育て方」青春出版社、p176-178(2021)

 

子どもの思考力を育てる方法

ここからは具体的に、思考力を育てる方法を6つ解説していきます。

1.主導権を子どもに渡す

自分で考えて選ぶ子ども

子どもが大きくなってきたら選択の主導権を子どもに渡し、「自分で決めた」と感じられるようにすることが大切です。

それにより、子どもが満足感をもって行動したり、責任をもって決めたことに取り組めたりするようになります。

そして、それは思考力を育てる力につながります。例えば、「あと何分遊ぶか」「今日はどの服を着るか」など、子どもにできるだけ決めてもらいましょう。

限度を示しながらも、子どもの意見をなるべく尊重することで、自分で考えて選ぶ力が育めます。

 

2自分の力でやり遂げられる環境を作る

マグカップに牛乳を注ぐ子ども

自分の力だけでやり遂げられる環境を整えると、言われなくても考えて行動する力を育てられます。

例えば、お茶とコップを子どもが自分で取れる位置に置いておいたり、子どもが出し入れできるよう洋服を整理したりしておくと、いちいち大人に頼んで世話してもらう必要がないため自発的に動けるようになることが期待できるでしょう。

 

3.興味をもったものを応援する

遊びに没頭する子ども

思考や理解・記憶といった脳の機能を十分に活かすには、「好きなものをもっと知りたい!」という欲求をしっかり満たすことが重要です。

子どもが駅やアニメのキャラクターなどに興味をもっていると、大人は「もっと役に立つことを好きになったらいいのに」と思うかもしれません。

しかし好奇心は探求する力の源であるため、大人は子どもがやりたいことに没頭できるように応援することが大切です。

 

4.遊び・ゲームを活用する

ボードゲームで思考力を育てる子ども

子どもは面白い遊びに出会うと、「うまくやりたい」「もっとうまくするには、どうしたらいいんだろう?」と考えるため、思考力を育てるのに適しています。

遊びをするときに大人ができる関わりには、下記のようなものがあります。

・「どうすればいいのかな?」など、考えることを促す声かけをする
・せかさず、十分に考える時間を与える
・さりげなく考えるヒントを与える

特に結果が点数で出たり、勝ち負けがあったりする遊びはもっと上を目指したくなるため、思考力を伸ばす助けになるでしょう。

出典:原坂一郎(監修)「非認知能力が育つ 3~6歳児のあそび図鑑」池田書店、p136-137(2020)

 

5.興味・関心がもてるような対応を行う

子どもを育てる親

興味や感動は、脳をしっかり働かせる鍵となります。

そのため、もし子どもが「面白くない」「できない」といった言葉を発したら、「本当は面白いんだよ」と力を尽くして説明することが重要です。

具体的には、下記のような対応がおすすめです。

・朝一番に、子どもと笑顔を作る練習をする
・「無理だ」「難しい」といった否定語を周囲が使わないようにする

情報に「好き」のレッテルを貼る脳の神経回路は、表情筋とつながっています。

笑顔を作ると否定的な感情が生まれにくくなり、脳のパフォーマンスを上げる効果があると言われています。

 

6.手を抜かない習慣を付ける

思考力を育んでいる子ども

脳には、あいまいに覚えた情報は時間が経つと忘れてしまうという仕組みがあります。

そのため、中途半端に覚えた状態で次に進むと、それまで学んだことを忘れてしまう恐れがあります。

学んだことを忘れないためには、しっかり覚えた状態になるまで取り組むことが大切です。

特に3~7歳は脳機能や心の発達を妨げる悪い習慣をやめることが、思考力の基礎を固めるために必要です。

学んだ内容を振り返って完璧にものにする習慣を付けることが、思考力を深め、成果を出すことにつながります。

出典:林成之「子どもの才能は3歳、7歳、10歳で決まる!脳を鍛える10の方法」幻冬舎、p80-81,102-119(2011)
モンテッソーリ教師あきえ「モンテッソーリ教育が教えてくれた「信じる」子育て」すばる舎、p76-78,81-82(2021)

子どもの思考力を育てるおもちゃ6

ここからは、子どもの思考力を育てるのにぴったりのおもちゃを6つ選んでご紹介します。

 

1.ロジカルな思考力を育てる マーブルメイズ

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カラフルなタイルの上を通るよう8つの球を転がして、見本と同じ並びになるようにするゲームです。

タイルにはそれぞれ球が通れる溝が掘ってあります。

ゲームボード上部から球を転がし、並べたタイルを通って、狙いとなるターゲットスペースに球が入ればクリアです。球の数を足したり引いたりして数える、数学的要素もあります。

対象年齢は6歳からで、一人でも遊べます。

<ロジカルな思考力を育てる マーブルメイズの特徴>
・論理的に考える力が身に付く
・問題を見つけ、判断して解決する批判的思考が養える
・習熟度に合わせて3段階・6種類の遊びができる

2.イニービン

イニービン 811802025296

伸縮性のあるゴムひもが張り巡らされた立方体のフレームの中に、ブロックを入れていくおもちゃです。

立方体の面によってゴムひもの張り方が違うため、試行錯誤しながらルールを理解する問題解決力が養えます。

ゴムひも・ブロックともにカラフルな色合いで、子どもの視覚を刺激して楽しく遊んでくれるはずです。

<イニービンの特徴>
・10ヶ月の低年齢から考える力が養える
・ブロック同士がぶつかる音でより楽しめる
・空間認識力が育ち、色の違いが理解できる

3.スマートマックス ビルド スターター(23ピース)

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カラフルな磁石バーと、バーを接続するボールのセットです。

磁石バーは全部で8色あり、色ごとにN極・S極の特性をもつため、バー同士をつなげることで自然と磁石のもつ力が学べます。

子どもの「なぜだろう?」を引き出し、科学に興味をもつきっかけになるはずです。

<スマートマックス ビルド スターター(23ピース)の特徴>
・1歳から長く遊べる知育玩具
・引き合ったり反発したりする磁石の力が学べる
・曲線型の磁石バーが追加された30ピース版もある

4.てんとう虫とカメムシ

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てんとう虫とカメムシは、3歳から遊べるボードゲームです。

カメムシが3匹ボード上に現れる前に、すべての虫たちをボード下に隠していきます。

ルーレットの針が指したものと同じ特徴をもつ虫を見つけて隠していきますが、わからなければほかのプレイヤーに聞いてもOKです。

ゲームは3つのレベルで遊べ、レベルが上がるほど複雑なルールになるため、長く楽しんで遊べます。

<てんとう虫とカメムシの特徴>
・協力型ゲームで、家族で楽しみながら学びを深められる
・色や形・数字などの数学的要素に親しめる
・レベル1~3の難易度があり、年齢に合わせた遊び方ができる

 

5.マイプログラミングペット いぬ

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マイプログラミングペットは、付属の絵本のお話に沿ってペットロボットを動かして遊ぶおもちゃです。

『考える・実行する・修正する・達成する』というサイクルをおもちゃを通して遊びながら学べます。

ペットのお友達やハウス・すべり台などもセットになっていて、プログラミングをしないときには人形としても遊べます。

<マイプログラミングペット いぬの特徴>
・絵本でストーリーに親しみながらロボットを動かせる
・子育てにまつわるトレンドを表彰するペアレンティングアワードを受賞
・コードを書くことなく、4歳からプログラミング的思考の基礎を身に付けられる

6.コーンジラ

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コーンジラは、「1」と書かれた「スタートコーン」に、アイスクリームのピースを積んでいくゲームです。

アイスクリームのピースをめくり、ピースに書かれた数字が自分が持つコーンの一番上のアイスクリームに書かれた数字よりも大きければ、ピースを追加できます。

1番にアイスクリームを10個追加できたプレイヤーが勝ちとなる対戦型ゲームなので、子どもの「負けたくない!」気持ちを活かして数の勉強ができます。

<コーンジラの特徴>
・数字の大小を遊びながら体感できる
・ピースを裏返しておくので、神経衰弱の要素もあり記憶力が鍛えられる
・カラフルでいろいろなフレーバーのアイスクリームで遊べて面白い

まとめ

思考力は、これからの社会を子どもが生き抜くために、非常に重要です。

子どもの思考力を育てるには、子どもの主体性を尊重すると同時に、子どもに決定権や判断をゆだねる大人の努力が必要です。

このページでは思考力を育てる方法をいくつか紹介しましたが、子どもを育てるのにマニュアルはありません。

教室・家庭での学習・遊びにおいて子どもが思考力を育めるよう、大人自身も試行錯誤することが大切なのではないでしょうか。

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