子どもが英語を身につけるための8つのアイディア~藤林恵子先生(けこりん英語教室)に伺いました~
英語を学ぶことは、多くの扉や機会を開く貴重なきっかけになります。
子育て中の方ならば一度はお子さまの英語教育について考えたことがあるでしょう。
英語圏に住んでいない子どもたちにとっては、英語を身に着けることは簡単なことではありません。
しかし、英語環境に身を置いていなくても、子どもたちが英語力を発展させるための有効な方法はたくさんあります。
今回のスペシャル企画では、横浜市のご自宅で22年間英語教室をされており、ご自身のブランドである児童英語教材(けこりん英語教室)も出版されている藤林恵子先生に「英語圏に住んでいない子どもが英語を身につけるための8つのアイディアと心構え」について伺いました。
もくじ
一番忘れてはいけない心構え
最初に、藤林先生から子どもが英語を学ぶ上で忘れてはいけない心構えについて伺いました。
一番忘れてはいけない心構えからお伝えさせてください。
「嫌いにさせたら終わります」
「子どもが楽しんでいるかどうか?」まずはそれだけを注目するくらいでいいです。
インターネットで検索すると、バイリンガルキッズはいっぱい出てきますし、英語サークルや英語教室に行けば、人のお子さんと比べてしまうこともあるかと思います。
「○○ちゃんはそんなことがもういえるの?すごいね~!」
(ちらりとわが子を見る)
親のこういった発言に子どもはとても敏感です。比べない、比べない・・・を心の念仏にしましょう。
・劣等感を持たせる
・苦手だと思わせる
英語に限りませんが、幼児~小学生の教育でこれだけは避けたいことです。得意、不得意は、本人のセンサー以上に、親の反応によってそう思い込んでしまうことも多いです。
子どもは加速度的に大きくなります。お父さんお母さんとベタベタと一緒にいられる時期はあっという間に終わります。「なにを何才でできるか」などは、後で振り返ればどうでもよかった・・ということが多々あります。ご家庭でお子さんが英語の時間を楽しむ。すべてはそこからであり、それがすべて、です。
◎今をいっしょに楽しもう!英語は楽しいね、が最優先
以上の心構えを念頭に置いたうえで、英語を身に着けるための8つのアイディアをご提案いただきました。
お子さんの好みや環境によって、取り入れやすさは変わってきます。ハードルの低そうなものから選んで、無理なく実践してみましょう。
親が英語でフレーズをいう
英語が得意じゃなくても、親子会話の本がたくさん出ています。自動翻訳も手軽に使える時代です(翻訳ツールのDeepLは精度が高くておすすめです)。
家での会話を、部分的でよいので英語に置き換えて話してみましょう。
発音は日本語由来の訛りが強くないほうがもちろんいいので、なるべくお手本をまねしてみましょう。
会話の本なら音源を、自動翻訳なら音声がありますね。でも、親の話しかけは、発音のインプットのためではないので、実はそんなに気にしなくて大丈夫です。「これは英語で言う」の決まり文句を、まず親が楽しく選ぶところから始めてみてください。
たとえば、毎日使うフレーズを考えてみましょう。
朝の会話
What do you want to wear today?(今日は何を着たい?)
Have a great day!(いってらっしゃい、の代わりに)
帰ってきたら
Go wash your hands. (手を洗ってきて)
Did you have a good day at school?(学校楽しかった?)
お手伝いのフレーズ
Can you put your toys away? (おもちゃ片づけて)
Can you help me set the table for dinner? (ごはんだよ、手伝って)
夜の決まり文句
It’s time to brush your teeth. (歯を磨く時間だよ)
I love you! Sweet dreams. (だいすきだよ、いい夢をみてね)
英語うまくなれ~の下心は上手に隠して、英語が日常にある雰囲気作りから。
ここがうまくいったらおのずと他も回転しはじめるはずです。
ここで目指すこと
◎ママやパパもいっしょに英語をがんばるよ!の安心感
英語の絵本を読む
お子さんに絵本を読んであげるのは、本当にすてきな時間です。
英語の絵本もぜひ取り入れてみましょう。簡単な英語で構成され、できれば文字も大きめの、すてきなイラストが目を引く本を探してみてください。
「英語絵本 幼児向け」などで検索してみてください。いろいろなおすすめが出てきますよ。
音声付きならプロのナレーターさんが音楽や効果音付きで朗読してくれるでしょう。
いっしょに真似すればいいですね。絵本のストーリーが、歌になっているものもいいですよ。
歌は一番、記憶に残りやすいので。絵本をそろえるのはちょっと・・・というご家庭は、保管場所不要の、オンラインの英語ライブラリーの利用も一考です。
ここで目指すこと
◎好きな英語絵本を見つけられたら、一生残る幸せな記憶!
日本の子ども向きの英語の教育番組を見る
日本のこども向きのキャラクターで、日本語混じりでステップを刻んでいる英語の教育番組はもうお試しですか。
英語圏のそれでもいいのですが、いきなりネイティブ英語のシャワーだと、拒否するお子さんもいるかもしれません。
まずはすっと入れる入口から英語ワールドに入りましょう。
NHKのeテレにも年齢に応じていろいろあります。Amazonプライムビデオ、Netflix(ネットフリックス)などのビデオオンデマンドの利用もできそうです。
ここで目指すこと
◎継続しやすい、英語番組などをおうち英語の入り口にする
英語圏のアニメ、映画を見る
英語圏のアニメや映画、YouTubeの動画など、語彙もスピードもレベルが高いですが、映像という文脈の中で、意味が拾えたりします。
お子さんの興味や好みに合いそうなアニメなどを探してみましょう。
ここで目指すこと
◎ホンモノの英会話の音やスピードに慣れて、表現を拾ってみよう。
知育玩具やゲームを利用する
英語を学ぶためのおもちゃやゲームもあります。子どもはたいていゲームが大好き。
ゲームの良さは繰り返しをいとわないこと。家族で楽しめるものがさらに◎です。
ここで目指すこと
◎大好きな家族と楽しいゲームをすることは子どもにとって大切な時間です。
そこに英語をさりげなく取り入れていくこと。
英語の知育アプリを利用する
お子さんにもタブレットPCを使わせる時代になっていますね。
たくさんの知育アプリがありますので、レビューや口コミを参考にしてお子さまが好きそうなものを選んでください。
ただし視力への影響もあるのである程度、時間を決めて楽しむといいでしょう。
ここで目指すこと
◎隙間時間に英語タイム。自発的にこどもが英語時間を持つようにする。
英語サークル、英語教室、英会話スクールに行く
グループレッスンの最大のメリットは、「お友達がいて楽しい」が、即モチベーションになるということです。
友だちからの刺激は、アプリやマンツーマンではなかなか得られない効果です。
親にとっても、自分の子だけ見ていたら気づかないことをグループレッスンで他のお子さんを見て気づくことがありますね。
英語指導のプロの先生のアドバイスやレッスンから、親御さんも学べると思います。
ここで目指すこと
◎友だちと楽しみながら英語のトレーニングをする
ネイティブと話す場を作る
ご近所に英語を話す親子がいればラッキーですが、一般的には、なかなか・・・ですよね。
フィリピンの先生が指導者になるオンライン英会話は、比較的リーズナブルなようです。
日本人ではない人と、英語やジェスチャーだけで意思疎通をする経験が、子どもに刺激と自信を与えるなら、試してみる価値は十分あります。
あるいはお住まいの地域に寄りますが、英語村、キッザニアの英語プログラムなど、英語を学ぶ施設が利用できるなら、それも楽しい英語イベントになるでしょう。
「イングリッシュキャンプ」などで検索すると、小学生から参加できるツアープログラムもいろいろあるようです。
ここから学べること
◎外国の人と、英語で会話ができる喜び体験をぜひどこかで!
以上8つの提案をしていただきました。これなら日常でできそう、と思うものからトライしてみてはいかがでしょう。
藤林恵子
上智大学英語学科を卒業後、アメリカで出産・育児をし5年間の滞在後に帰国。横浜の自宅英語教室は今年で22年目。
オリジナルの児童英語教材である「英トレでポン」や、けこりん英語教室を通じ、多くの児童英語の先生と交流あり。