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2022.05.27

STEM教育とは?日本・海外の事例や幼児から遊べるおもちゃ・ゲームを紹介

STEM教育 アイキャッチ画像

アメリカや中国で、国を挙げて推進されている「STEM教育」。
具体的な内容をご存知でしょうか?

日本では、2020年度よりプログラミング教育が小学校の授業に取り入れられましたが、これもSTEM教育の一環です。

このページでは、STEM教育の意味や必要性、海外の事例をご紹介します。

STEM教育はご家庭でも取り入れることができます。STEM教育に役立つ教材やおもちゃもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

STEM(ステム)教育とは?意味・必要性を解説

そもそもSTEM教育とは、どのような教育なのでしょうか?
STEM教育の必要性とあわせて解説します。

STEM教育 子供とロボットの画像

 

STEM教育とは

STEMとは、次の4つ単語の頭文字を取った言葉です。

  • Science(科学)
  • Technology(技術)
  • Engineering(工学)
  • Mathematics(数学)

 

これらの分野に重点を置いて学ぶ教育のことをSTEM教育と言います。

アメリカ合衆国のオバマ元大統領も、2009年頃からSTEM教育の重要性について何度も発言しており、日本でもSTEM教育が知られるようになりました。
4つの分野の概要は次の通りです。

Science(科学)実験・観察をもとに法則性を見いだす
Technology(技術)最適な条件・仕組みを見いだす
Engineering(工学)仕組みをデザインし、実用的なものづくりをする
Mathematics(数学)数量を論理的に表したり使いこなす

引用:木村優里、原口るみ、後藤田洋介、吉原久美子、柏原寛、大谷忠、金子嘉宏「民間教育機関におけるSTEM教育推進のための教材開発と産学連携の取り組み」東京学芸大学紀要、自然科学系Vol.69、p.252(2017)

 

日本では2019年に内閣府が「AI戦略2019」という計画を発表しました。
この計画の中にSTEM教育を始めとした、新たな手法を取り入れ、AI関連の人材を育成していくことが明記されました。

オバマさんが発言していた、実に10年後のことです。。。

出典:AI戦略 2019|内閣府

 

STEM教育が必要な理由

現代のテクノロジーは、STEM(科学・技術・工学・数学)の4分野が密接に関連することで成り立っていると言われています。
1つの分野だけでなく、他の分野も総合的に学ぶ必要性が出てきたと言うことができますね。

「2025~2035年には、日本の労働人口の約49%が就いている職業はAIによって代替できるようになる可能性が高い」とも言われています。(野村総合研究所)

ちょっと前の映画の世界が、もうそこまで来ているのを感じますよね。

これからさらに進化する未来の社会を生きる子ども達は、こうした科学技術を使いこなせるようになることも、重要なスキルの1つになりそうです。
急速な技術の発展も、STEM教育が重要視される1つの要因になっています。

出典:日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に~601種の職業ごとに、コンピューター技術による代替確率を試算~|株式会社野村総合研究所

 

STEM教育を家庭でするポイントは?幼児でもできる?

日本のSTEM教育はまだまだこれからという段階ですが、家庭ではどのような教育ができるのでしょうか?
「何歳から始められるのか」という点とあわせて解説します。

赤ちゃんがSTEM教育おもちゃで遊んでいる様子

 

STEM教育はゼロ歳から家庭でできる

STEM教育では、従来のような詰め込み型の学習ではなく、子どもの自主性に重きが置かれています。無理に習いごとに通わせるのではなく、家庭でも子ども達の好奇心に寄り添ったり、考え方を教えたりすることで、STEM教育の基礎が育めます。

ゼロ歳からの乳幼児期は、特に創造力や意欲などの非認知能力が伸びやすい時期です。
遊びやおもちゃなどを通して、「もっと知りたい」「こうしたい」をとことん刺激してあげ、問題を解決する力を鍛えましょう。

 

STEM教育の教材やものづくりに触れる機会を作ろう

STEM教育の教材には、「手を動かすこと」や「子どもが楽しめること」を考えて作られたものが多いです。そのため、「自分で学び、自分で理解していく」力を養いやすいです。
また、ものづくりをすることで、アイディアや想像力も鍛えられます。学校でのプログラミング教育に触れる前からものづくりに触れていれば、問題解決のための思考力や行動力など、アイディアを形にする工程が体験できるでしょう。

子どもたちがSTEM教育おもちゃで遊ぶ様子

 

 

STEM教育に役立つ教材は?おもちゃやロボット・ゲームなどをご紹介

ここでは、家庭でSTEM教育を取り入れたいときに役立つおもちゃやロボット、ゲームをご紹介します。
低年齢から遊べるおもちゃもあるので、ぜひ参考にしてください。

 

低年齢から遊べる!STEM教育のおもちゃ

STEM教育ができるおもちゃというと難しい教材を考えがちですが、1歳代と低年齢からできるものもたくさんあります。好奇心のおもむくままに学ぶことで、問題解決力などさまざまな力の育成が期待できます。

 

ドリルでデザイン!アクティビティセンター

STEM教育おもちゃ ドリルでデザイン!アクティビティセンター 086002041128

子どもが大好きな電動ドリルと工具がセットになったおもちゃです。電動ドリルの他、ドライバーやレンチなども付属しており、機械に興味のある子どもにぴったりです。付属のカードの絵や模様をまねてネジを配置することで、ドリル遊びとお絵描きが同時に行えます。

また、自分で絵を描いてから同じものをネジで作るなど、子どものレベルに合わせた遊び方が可能です。

 

<ドリルでデザイン!アクティビティセンターの特徴>

  • ドリル遊びとお絵描きが同時にできる
  • 指先を使う力の育成から色や数の学習まで、発育・発達に必要な要素が育める
  • カラフルなネジが120本あり、いろいろな遊び方が楽しめる

 

初めての昆虫ケース 拡大レンズ付き

STEM教育おもちゃ 初めての昆虫ケース 拡大レンズ付き 86002050915

2種類のレンズが付いた昆虫ケースです。蓋には空気穴が付いているため、虫かごとして使うこともできます。近所や公園で虫を捕まえてその場で見られると、子どもも面白いですよね。

実際に購入した方の中には、「昆虫ケースを渡すことで、虫を探すようになった」という声もありました。プレゼントにもおすすめできるおもちゃです。

 

<初めての昆虫ケース 拡大レンズ付きの特徴>

  • 拡大レンズが両目で見られるため、幼児でも観察しやすい
  • 持ち運びやすい取っ手付き
  • 上から覗くと3倍、横から覗くと2倍と、2種類のレンズで観察できる

 

直感的に操作できる!ロボットでSTEM教育

ロボットを使ったSTEM教育は、論理的思考力を養うのに適しています。
おすすめのロボット教材を3つご紹介します。

 

マイプログラミングペット うさぎ

STEM教育おもちゃ マイプログラミングペット うさぎ 4573205123158

ロボットに命令を出すことで、プログラミングの基礎が学べるおもちゃです。

「考える」「実行する」「修正する」の繰り返しにより、試行錯誤や達成体験を積むことができます。うさぎロボットの他、お友達のロボットやすべり台・ブランコなども付属しており、ごっこ遊びもできます。慣れてきたら迷路を作って走らせてみるなど、幅広い遊び方が可能です。

 

<マイプログラミングペット うさぎの特徴>

  • 子育てにまつわるトレンドが表彰される「ペアレンティングアワード」を受賞
  • コードが書けなくても、4歳からプログラミングに触れられる
  • 付属の絵本やすべり台・ブランコなどで、ストーリーの幅を広げられる

 

ロボットマウス コーディングアクティビティセット

STEM教育おもちゃ ロボットマウス コーディングアクティビティセット 765023028317

自分で作った迷路を通るようネズミ型ロボットにインプットし、チーズを目指して走らせる知育教材です。迷路の壁やトンネルも付属しており、複雑な迷路を作ることもできます。
ロボットはバックやターンの他、光る・鳴くといった動作も可能です。始めは付属のアクティビティカードの通りに迷路を作り、慣れてきたら自分で創作して迷路を作る遊び方もできます。

 

<ロボットマウス コーディングアクティビティセットの特徴>

  • 迷路を使ってロボットを動かすことで、プログラミングの基礎が身につく
  • これからの時代に必要な「問題解決能力」「クリティカルシンキング」が養える
  • 日本語の取扱説明書もあって安心

 

ボットリー コーディングロボット アクティビティセット

STEM教育おもちゃ SALE ボットリー コーディングロボット アクティビティセット 765023029352

おしゃべりロボット「ボットリー」を使って、プログラミングが学べるおもちゃです。「もしXの場合、Yをする」と、条件によって変わる命令も組み込み可能です。

床を直接走らせることができるため、付属の障害物キットや家にある道具で、簡単にオリジナルの迷路が作れます。取り外し可能なロボットアームを使い、ボールを運ぶこともできます。

 

<ボットリー コーディングロボット アクティビティセットの特徴>

  • 「もしXの場合、Yをする」という条件分岐が学べる
  • 繰り返し実行する命令は「ループボタン」で登録できる
  • スイングハンマーやドミノなどの拡張セットでも楽しめる(別売り)

 

ゲームで遊びながらSTEM教育

ゲーム型STEM教材には、1人でプレイするものから複数人で協力して行うものまで幅広くあります。
子どもの好みに合わせて、夢中になれるゲームを探しましょう。

 

ダイナソー エスケープ

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参加者全員が力を合わせ、3頭の恐竜を火山の島から脱出させる協力型ボードゲームです。カードの絵柄を覚えながら、サイコロの目に従って恐竜のフィギュアを動かしていきます。カードを覚える必要があるので、記憶力を鍛える要素もあります。恐竜フィギュアが精巧なため、恐竜好きの子どもにぴったりのゲームです。

 

<ダイナソー エスケープの特徴>

  • ゲーム参加者が目的に向かって協力するため、協調性が育める
  • ボードを俯瞰して考えることから、空間認識力や考える力が養える
  • クリアした喜びや失敗してくやしい気持ちを分かち合うことで、一体感が味わえる

 

コギー

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16個の 「ギア」と呼ばれる部品が連結した知育ゲームです。ギアは表面・裏面で模様・配色が異なり、それぞれ曲げたりひねったりできます。ギアを動かし、問題が載ったカードの通りになれば完成です。問題数は全40問あり、手軽に持ち運べるため、移動中の車の中や外出先でチャレンジしてもよいでしょう。

 

<コギーの特徴>

  • 4段階の難易度があるので、レベルに合わせて楽しめる
  • 問題の載ったカードはすべて端が止めてあるので、見やすくバラバラになりにくい
  • 子どもから大人まで、遊びながら脳トレできる

 

STEM教育ができる本

STEM教育の本には、保護者向けの教育本や子ども向けの実践本など、いろいろな種類があります。
ここでは、子どもも大人も読んで楽しい、STEM教育入門となる本をご紹介します。

 

子供の科学STEM体験ブック

実験でわかる科学のなぜ?: AI時代を生きぬく理系脳が育つ (子供の科学STEM体験ブック)
出典:Amazon

「子供の科学STEM体験ブック」は、サイエンス編・テクノロジー編・エンジニアリング編・マス編と、STEMの4つのテーマに沿って書かれたシリーズです。イラストや簡潔な文章で構成されており、4冊が出版されています。
テーマごとに、家庭でもできる実験や偉大な発見を成し遂げた歴史上の科学者たちが紹介されており、子どもだけでなく大人が読んでも楽しいと評判です。

 

<子供の科学STEM体験ブックの特徴>

  • サイエンス編やエンジニアリング編など、4冊が出版されている
  • 家庭でもできる簡単な実験を各テーマごとに30以上収録
  • アメリカでSTEM教育を推進する「STEAM Education」も推薦

URL:https://www.amazon.co.jp/dp/4416618247

 

プログラミング的思考も学べる!STEM教育アプリ

小さい頃からデジタル端末に親しんだり、プログラミング教材に触れたりすることも、STEM教育においては重要です。
ここでは、低年齢からできるSTEM教育アプリをご紹介します。

 

コードモンキーJr.

コードモンキーJr.のウェブサイト画像

出典:CODEMONKEY

コードモンキーJr. は、4~6歳を対象とした学習サービスです。サルのモンタが、奪われたバナナへたどり着くように、プログラムを組み立てて手助けします。コードモンキーJr.を含むコードモンキーシリーズには、他にも小学校1・2年生を対象としたコースやプログラミング言語を使うコースがあり、年齢に合わせたレベルで受講可能です。

 

<コードモンキーJr.の特徴>

  • 課題が進むにつれて、難易度が上がる
  • 「順序」「繰り返し」などのコンピューター概念が学べる
  • パソコンだけでなく、スマホやタブレットでも遊べる

URL:https://codemonkey.jp/codemonkey-jr/

 

Viscuit(ビスケット)

 

計算機科学者である原田氏により開発された、日本発のプログラミング言語・アプリです。「数字など細かいことを知らなくても、プログラミングの面白さや可能性に触れられる」ことを目指して作られました。パソコンの他、スマホやタブレットでも遊べます。Viscuitでは、「めがね」というツールにある左右の丸に描いた絵を配置することで、アニメーションなどが簡単に作れます。

Viscuit ビスケット

出典:Viscuit

<Viscuit(ビスケット)の特徴>

  • アニメーションやゲーム・絵本などが簡単に作れる
  • 解説動画があり、操作がわかりやすい
  • 小学校などでの導入実績がある

URL:https://www.viscuit.com/

STEM教育とSTEAM(スティーム)教育の違いは?STEM教育から生まれた教育手法

STEM教育を元に生み出された教育手法が、他にもあることをご存知でしょうか?
ここでは、よく聞かれるSTEM教育とSTEAM教育との違いや、その他の教育手法についてご紹介します。

 

STEAM教育はSTEMにArt(アート)を加えたもの

STEAMとは、前述のSTEMにArtを加えたものです。
Artは直訳すると「芸術」ですが、近年のSTEAM教育においては、Liberal Arts(教養)やデザインといった要素を含んで使われることもあります。
STEM教育にArtが加えられた背景には、現代を取り巻く複雑な社会問題があります。このような問題を解決するには、自ら問いを立て、創造力をもって解決することが必要です。その力を養う方法として、STEAM教育が注目されているのです。

出典:STEAM教育等の教科等横断的な学習の推進について|文部科学省

STEAM教育 子どもが絵を描いているところ

 

STEAM以外にもある!STEM教育から生まれた教育システム

ここからは、STEM教育から派生した、STEAM教育以外の教育手法をご紹介します。

 

eSTEM(イーステム)教育

eSTEMの「e」は、environmental(環境)を意味しており、STEM教育に環境教育を足したものです。科学技術の向上だけを目指すのではなく、環境にも配慮して、よりよい社会を作れる人材の育成を目指しています。

ここで言う「環境」とは、自然環境だけではありません。環境への負荷を減らしながら生産を行う産業環境分野から、人間関係や生きがいなどの生活環境・ネット環境まで、あらゆる分野を含みます。

eSTEM イーステム 子が植物を観察しているところ

 

STREAM(ストリーム)教育

STREAMとは、STEAM教育にRobotics(ロボット工学)を足した言葉です。
技術の進歩で生活がどんどん便利になるとともに、働き方にも変化が起きています。AIやロボットに指示を出し、コントロールする「ロボット技術を使いこなす」人材が、強く求められています。

STREAM ストリーム教育 子どもがロボットを作っているところ

 

GEMS(ジェムズ)

GEMS(Great Explorations in Math and Science)とは、カリフォルニア大学にある科学教育研究所で開発された、科学・数学領域の参加体験型カリキュラムです。体験をベースに基礎学力をつけ、自ら考えて学ぶ姿勢を育むことを目標としています。

 

<GEMSの例>

  • 油が流れ込んだ海に見立てたカップを用意して油の除去にチャレンジ
  • 硬貨の密度を調べる
  • 家にある粉と液体を組み合わせてオリジナルののりを作る

 

違う考えを持つ人たちと、自由に試行錯誤しながら視野を広げることで、未来の科学者や数学者の育成を目指します。

出典:GEMSとは?|ジャパンGEMSセンター

 

GEMS ジェムズ 子どもが実験をしているところ

 

 

STEM教育の日本における取り組みは?幼稚園や小学校・中学校の現状

世界的にも注目されているSTEM教育ですが、日本ではどのような取り組みが行われているのでしょうか?
ここから詳しく解説します。

 

日本のSTEM教育の現状は?

日本のSTEM教育は、海外先進国と比べるとかなり遅れています。
ただし、学習指導要領の改定など、少しずつ取り組みは進んでいるようです。
文部科学省は2017年、新時代に対応できる学校教育を実現するために、幼稚園教育要領・小学校学習指導要領・中学校学習指導要領を改訂しました。

新しい幼稚園教育要領では、幼児教育で身につけたい資質と能力として「知識及び技能の基礎」「思考力・判断力・表現力等の基礎」などが挙げられました。これらは、STEM教育の基礎にもなると期待されています。

STEM教育 子どもが勉強しているところ

小学校から必修となるプログラミング教育では、プログラミング的思考を育んだり、コンピューターを活用して問題解決する態度を育んだりすることが目標です。

また中学校では、「技術・家庭」科目においてプログラミング教育が行われます。中学校におけるプログラミング教育では、ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツの制作など、より高度な項目を学びます。

出典:
幼稚園教育要領解説|文部科学省

小学校プログラミング教育の手引(第三版)|文部科学省
教育の情報化に関する手引|文部科学省

 

日本のSTEM教育の課題

それでも、日本のSTEM教育は海外と比べて広くは浸透していないようです。

原因として、以下の課題が考えられます。

 

  • 教員の研修や養成が進んでいない
  • 小学校での英語必修化により履修内容が増え、授業時間が足りない
  • 授業の目標やどのように評価するかといった設定が進まない
  • 政策としての位置づけと予算が十分ではない

 

この課題を解決してSTEM教育を推進するため、文部科学省は学校教育と民間教育の連携を進めています。一部の公立学校では、STEM系のプロジェクトやワークショップを実施したり、学習履歴データとAIの活用により、個人の認知特性や学習到達度に合わせた学習を実施しているところもあります。

全国の児童・生徒に1人1台のコンピューターと高速ネットワークを整備する取り組みも進められており、デジタルを活用した学習も今後加速する見通しです。

 

 

STEM教育の海外事例

ここからは、海外のSTEM教育の事例について解説します。

海外のSTEM教育 子どもたちが勉強しているところ

 

アメリカの事例

アメリカは、いち早くSTEM教育に取り組み、世界を先導しています。

2013年には「STEM教育5ヶ年計画」を発表し、「2020年までに初等中等教育段階のSTEM分野教員を10万人養成」などの具体的な目標を示しました。

 

トレンドとして、IT機器やAIを使って個々の学習進捗や解答の正誤情報などを蓄積したり、分析したりする動きがあります。

また、州や学区の認可を受けて運営される「チャータースクール」で、自由にカリキュラムを組む動きも活発です。テストのために暗記するような学びから脱却し、自由な学びを模索する動きが広まっています。

出典:スーパーサイエンスハイスクール(SSH)支援事業の今後の方向性等に関する有識者会議 報告書 | 文部科学省

 

中国の事例

中国では家庭の教育に対する熱意が高く、公教育がそれに追いついていない状況です。そのため、特に基礎学力については、民間サービスを活用した効率的な手法が普及しています。
2010年に中国政府が正式交付した「国家中長期教育改革・発展計画綱要」により、イノベーション人材を育成する改革試行プロジェクトが実施されました。

上海や深セン・北京においては、公教育での実証授業や教員研修などの先進的な取り組みが開始されています。

中国は人口が多く、ユーザー・市場も膨大であるため、AIやビッグデータを活用した教育サービスが発展しやすいと考えられています。

出典:
諸外国の教育の現状に関する参考資料|経済産業省

AI戦略等を踏まえたAI人材の育成について(資料2)|文部科学省

 

台湾の事例

台湾では近年、国民小学~高級中学(日本の小学校~高等学校に相当)において、STEM教育の観点を重視しています。

2016年、日本の文部科学省に相当する台湾の教育部は、学校における自造者教育に約1.6憶元(1元=4円で換算すると約6.4億円)の予算を投じました。自造者教育とは、STEM教育を踏まえた「作ることで学ぶ教育」のことです。各学校に3Dプリンターやレーザーカッターなどのデジタルファブリケーション機材を整備するとともに、教員研修や設備費などの支給にも力を入れています。

出典:門田和雄「STEM教育を重視した台湾北部の自造者教育」STEM教育研究 Vol.2、p1(2020)

 

子どもたちが手を挙げているところ

 

まとめ

日本のSTEM教育は、他の先進国に比べて遅れているのが現状です。

STEM教育で重きを置く科学・技術・工学・数学の領域は、AIを始めとした科学技術を使いこなす上で不可欠になります。
現代において、これから新しい技術を開発するには、自分の得意分野に限らない総合的な知識が必要です。

STEM教育の礎となる好奇心や問題解決力は、家庭でも伸ばせます。

おもちゃやSTEM教材を上手に使って、あなたも一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。

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